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潰瘍性大腸炎の分類

  • 監修:銀座セントラルクリニック 院長
     鈴木 康夫 先生

潰瘍性大腸炎(UC)は、主に重症度や臨床経過、病変の範囲などにより分類されます。

重症度による分類

排便回数、血便、発熱、頻脈、貧血(ヘモグロビン値)、赤沈(赤血球沈降速度)の程度によって、軽症・中等症・重症・劇症に分類されます。

軽症は血便や下痢の程度が軽く、かつ全身症状がない場合です。重症とは下記表の排便回数が6回以上および著明な血便のほかに、全身症状である発熱または頻脈のいずれかを満たし、かつ下表1~6の項目のうち4項目以上を満たす場合に該当します。そして、軽症と重症の中間が中等症になります。

潰瘍性大腸炎の臨床的重症度

 
軽症
中等症
重症
① 排便回数 4回以下 重症と軽症の中間 6回以上
② 顕血便 (+)〜(ー) (+++)
③ 発熱 (ー) 37.5℃以上
④ 頻脈 (ー) 90/分以上
⑤ 貧血 (ー) Hb10g/dL以下
⑥ 赤沈 正常 30mm/h以上

重症のなかでも、とくに症状が重篤なものは劇症に分類されます。上記の分類で重症とされた患者さんで、さらに下記項目をすべて満たす場合は劇症に分類されます。劇症は非常に危険な状態で、すみやかな対応が必要となります。

劇症

  • 1. 15回/日以上の血性下痢が続いている
  • 2. 38℃以上の発熱
  • 3. 10,000 / mm³以上の白血球増多
  • 4. 強い腹痛がある

(厚生労働省特定疾患「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(下山班)」)

臨床経過による分類

潰瘍性大腸炎は、臨床経過からも分類されます。

寛解(症状が落ち着いている状態)と再燃(症状が悪化している状態)を繰り返す場合は再燃寛解型、さまざまな内科的治療を行っても症状が良くならず、活動期が続く場合は慢性持続型、発症・再燃から急激に症状が悪化する急性(再燃)劇症型、発作は1回のみで将来、再燃寛解がみられない場合は初回発作型に分類されます。

最も多いのは再燃寛解型です。

潰瘍性大腸炎の臨床的重症度

(図)潰瘍性大腸炎の臨床的重症度

病変範囲による分類

潰瘍性大腸炎は、病変範囲からも分類されます。

病変が直腸に限局している直腸炎型、病変が脾彎曲部より肛門側に限局している左側大腸炎型 、病変が脾彎曲部を越えて口側に広がっている全大腸炎型の3つに大きく分けられます。

潰瘍性大腸炎の病変範囲による分類

(図)潰瘍性大腸炎の臨床的重症度

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